農地法改正と貸し農園
貸し農園での家庭菜園が話題になっていますが、貸し農園については、まずは農地法について知っておく必要があります。農地法という言葉は一般の人にはあまり馴染みのないものなのですが、この制度の改定が今回のテーマと大きく関係しているのです。
農地法は農地がその耕作者自身が所有することを最も適当だとして、耕作者の農地取得促進と、権利保護をする目的の法律で、農業用の土地の効率的な利用をするため状態調整も行っています。
更に、耕作者の地位安定と農業生産力の増進を図ることも目的とされ、農地法は6章と附則から構成されています。
第1章は総則(第1条~第2条の2)、第2章は権利移動及び転用の制限等(第3条~第15条)、第3章は利用関係の調整等(第16条~第29条)、第4章は遊休農地に関する措置(第30条~第44条)、第5章は雑則(第45条~第63条の2)、第6章は罰則(第64条~第69条)という内容になっています。
この農地法が改正されたわけで、2009年の第171回国会で改正法案について審議され、同年6月に参議院本会議で可決成立されました。この改正法では、従来の農地耕作者主義ではないのがポイントとなっており、食糧自給率の向上や環境保全面から重大な障害を起きないように、かつ現実的で効率的な農地利用を図るのが目的です。
改正の目玉は何といっても農地の利用権(賃借権)を原則的に自由にするということで、農業生産法人や個人でなくても、「農地を適正に利用」するなら、そこに住んでいないその他の会社やNPO法人でも農地を自由に借りることができるようになりました。そして会社ではない個人でも市民農園などを借りて、本格的な家庭菜園にチャレンジする人が出てきたわけです。